前回の記事では相見積と防音ドアについて書きましたが、今回は電気工事と壁コンセントについてこだわりたいポイントをお伝えします。電気はオーディオやギターアンプ等の音響機材の音質に影響を与える重要な部分です。
この記事を読んでいただければ、電気工事周りで最低限の押さえておいたほうがよいポイントがわかります。プロの録音スタジオでも電源整備にはかなり気を使われています。
専用回路とはブレーカーからコンセントまで他の機器に一切つながっていない状態で下図のような状態です。エアコンは基本的に専用回路になっていますが、通常コンセントは照明や他の部屋のコンセントと同じ系統の電線でつながっていることが多いです。

専用回路にするのは、プロの録音スタジオやピュアオーディオ界隈ではよく行われていることです。なぜかといいますと他の家電(PC、照明、テレビ)が発するノイズが、コンセント経由でギターアンプやオーディオ機器に影響を与えるからです。
ここはハウスメーカーの領域になりますので、そちらの方にお願いしておきましょう。専用回路にしても数千円程度のコストですので、メリットの方が大きいです。
私はオーディオ関係の機器をつなぎそうなところは、全て専用回路にしました。
すでに建築済みの方であればデジタル機器とアナログ機器のコンセントを分けるだけでもやってみましょう。下記のように分類されます。
アナログ機器:パワーアンプ、プリアンプ
例えばギターにマイクを立てて録音する場合、パソコンとギターアンプは別のコンセントから取りましょう。オーディオインターフェイスも分けたほうがよいでしょう。
これはやってみて一番効果がありました!!最初にオーディオ機器で試したのですが、音がかなりエネルギッシュになりました(前に飛んでくる感じといいましょうか)。蛇口全開といった感じの音で、背景がしずかで音が立っているような印象でした。
この記事のトップ画像のようなコンセントが200Vです。これは無難にパナソニックの200Vのコンセントにしました(WN1932)。オーディオマニアの間では有名な中村製作所でも推奨されているコンセントです。
日本の家電は100Vで動くので、200Vを入れてしまうと壊れます。なので200V→100Vにするためにダウントランスをかます必要があります。
このトランスにも様々ありますのが、私は電研精機のノイズカットトランスを使用しています。ダウントランス&ノイズカットの性能を備えております。
100Vのランナップもあります。現在100Vをご利用の方はこちらでもノイズカットの効果が見込めると思います。

音が良くなる理由は諸説あります。コンセントは100Vといいつつ電圧降下しており100V以下になっていることも多いです。特に集合住宅だと100Vを下回っていることはよくあります。昔測定したときは98Vくらいでした。トランスをかますときっちり100V出ていました。
200Vはバランス伝送(平衡伝送)というノイズに強い方法で伝送されているため、ノイズが乗りにくく澄んだ音になるとも言われています。
せっかく設置した200Vなのに、1年以上使用していなかったのです。最初に音出しした瞬間、もっと早くやっておけばよかったと後悔しました。
海外製のアンプで115Vや117Vを利用している方は、その電圧に適したダウントランスを使うと機器の性能をフルで発揮できると言われていますね(200→117Vのトランス)。
③音質的に良いとされる壁コンセントを利用する。できれば3Pのコンセントにする。
とりあえず最初はPanasonicのWN1318K(約1,500円)かWN1512K(約500円)をつけておけば良いと思います。入門用的なコンセントで、なんといっても安いです。
WN1318Kはホスピタルグレードと言われ医療現場でも使用されています。頑丈でプラグをさした時のホールド感がしっかりあります。
3P(アースプラグがついているプラグ)にすると3点で支えるのでぐらつきなくしっかりホールドできます。アースの有無については環境にも依存するので必ずしもあったほうが良いとは言い切れませんが、悪影響が出ていればプラグ側のアースプラグを外すか2Pのコードに変えてしまえば影響をなくせます。
オーディオ界隈では高級なオーディオ用コンセント(うん万円)がたくさんあります。私は使ったことがありませんが、ネットを見ると音が変わったというレビューがたくさん見られます。
有名どころではオヤイデのR-1があります。プラグの受け部分にプラチナ+パラジウムのメッキ処理がされているものです。
私個人の考えでは①と②の影響の方が大きいと思うので、コンセントにこだわるのは予算があればで良いと思います。私もWN1512KとWN1318Kを使用していますが、特に不満はありません。
今回は電源周りについて書いてみました。こういう構造部分については後から変えられないので、後悔のないようにしておきましょう。長い目で見れば実はコストとしてはそんなに高くないと思います。
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